有賀教授のにんにく講座
にんにく研究最前線
日本のにんにく研究の歴史

研究生活を一変させたピラミッド図
1990年、アメリカではガン予防のための国家プロジェクト「デザイナーフーズ・プログラム」がスタートしました。その中で、国立ガン研究所が膨大な疫学調査データをもとに、ガン予防に効果のある野菜約40種類を厳選し、重要度に合わせてピラミッド型の図に表した「デザイナーフーズ・ピラミッド」を発表しました。 これは私の研究生活を一変させるほどの事件でした。「デザイナーフーズ・ピラミッド」によると、にんにくがガンを防ぐ野菜として最も重要視するべきものであると評価されてピラミッドの頂点に鎮座しているではありませんか。 これをきっかけに、私の元へテレビの出演依頼や取材などが相次いで舞い込んでくるようになりました。最初は少し躊躇しましたが、食べ物と健康の研究をしているのだから、一般の方に伝えることこそ重要であると考え、積極的にメディア出演することにしました。 その結果、研究助成金や寄付金も受けやすくなって研究もはかどり、おもしろい成果がいくつも得られるようになりました。さらには健康食品メーカーとも顧問契約を結ぶようになり、研究機器の選び方、研究方法のアドバイスをするなど民間企業とのつながりも増えてきたのです。
優れたにんにく研究を行う民間企業も登場

「機能性表示」が研究成果を測るポイント


監修:医学博士 有賀 豊彦(ありが とよひこ)
日本大学名誉教授/医学博士/健康家族顧問
1980年よりにんにく研究を開始し、1981年にはにんにくオイル中から抗血小板成分としてMATSを発見し、英国の医学誌「ランセット」に発表。以後抗ガン作用の解明を行うなどして、多数の学術論文を発表し、にんにく研究の第一人者として活躍している。
2022年春、「瑞宝小綬章」を受賞。
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